アンは朝をむかえた。皮肉にも外はピクニック日和である。

マリラも、アンに愛情が生まれ始めて信じてきたこれまでの数日間から一変して、アンを信じることができなくなって、どうにもこうにも、マリラ自身が疲れ果ててしまった。その気持ちを払しょくさせようと、ありとあらゆるところをいつにも増して徹底的に掃除をし、どうにかこの気持ちを静めたかった。

そして、落ち着いたころに、つくろっておかないといけないと思いだしたショールを取り出したところ、なんとそのショールにブローチが引っかかっているではないか。何かキツネにつままれたような奇妙な感じがした。そして気づいたのだ。

アンに、なぜあんな芝居がかったうそをついたのか、尋ねてみたところ、案の定、どうしてもピクニックに参加したくて、正直に話せばピクニックに参加させてくれると思って、覚悟の末のうその芝居をしたことを告白した。マリラは、自分が悪かったこともふまえて、アンの行動に笑いがこみ上げて、してはいけないウソに怒る気がしなくなった。そして、大急ぎでピクニックの支度をし、アンのためにご馳走を準備し、遅れを取り戻すために馬車で送るよう段取りもつけたのだ。

ダイアナと一緒に参加できたピクニックは、この上もなく楽しかった。ダンスを踊り、ボートにも乗って、待ちに待ったアイスクリームも堪能した。一度はあきらめかけたピクニックに参加できて、初めてのアイスクリームを食べることができたのだから、これほどの喜びはない。最高の気分だった。

家に戻ったアンは、マリラとマシューに、ピクニックの出来事を、事細かに話して聞かせ、しゃべり続けたのだった。マリラはマシューに、自分の過ちを認め、アンの性格を受けとめて、こう言ったのだ。

「アンのいるところは、どこにいても飽きさせるということが無いよ! そして、これからはもっと良い方向へ向かうだろうよ!」

マシューは口癖の一言、「そうさのう!」・・・マシューとマリラの思いは、これまでは相反するところがあったが、同じくつながったのだ。