カナダの東部にある州で、セントローレンス湾に浮かぶ、プリンスエドワード島は、世界で一番美しい島といわれています。

春は花いっぱいに咲き乱れる色とりどりの風景の鮮やかさ、夏の新緑の緑色の濃さと、どこまでも深く青い海、空の澄み切った青さ、秋の紅葉の赤や黄色の木々たちの姿、冬は一面真っ白の雪景色に加えて、赤土の道に、一面に広がる畑の風景、【赤毛のアン】の舞台となった場所は、非の打ち所がない風景が広がっている。

何もかもが、けがれの無い、ありのままの風景なのだ。

この、すばらしく美しい風景を背景にして、【赤毛のアン】はこの世に誕生した。

ルーシー・モード・モンゴメリは、この土地に生まれ、この美しく豊かな場所で、アンのように、想像力豊かに物語を生み出したのだ。

特に、特徴的な場所があるわけではない。

些細な一つ一つの景色が、ごくごく自然に美しいのだ。

今では、モンゴメリが育ったころと違って、【赤毛のアン】ありきの風景なので、とてもメルヘンチックに作り上げられている感じはするが、観光地となっても、自然の景色をこわさず、維持されている。

特別なものが無いというのは、悪いことととらえる人も多いかもしれないが、人間の能力は、想像することが出来るのである。

目の前に、美しいものが広がれば、想像する景色やものごとも、豊かで美しい想像が広がり、さらに心が豊かになるというものだ。

日本も、四季折々の景色の移り変わりで、その時々の美しさを感じることができるのは、カナダと同じといえようが、何せ日本は狭く、開発や発展のために自然がこわされ、豊かな気持ちにさせてくれるところが、だんだん少なくなってきている。

便利に生活ができていることについては良いと思うが、反面、気持ちがギクシャクしていってるのではないか、とも思うのだ。

こんなに熱く語っているが、私は、プリンスエドワード島に行ったことが無い。

モンゴメリの表現豊かな【赤毛のアン】を読んで、美しい景色を想像し、写真集を見て、文章の表現通りだと、モンゴメリの文章力に感心し、プリンスエドワード島にあらためて魅力を感じているのである。

プリンスエドワード島に行くことができたら、その場にいるだけで夢心地になることは確実である。

私は、事情により、行くことはできないが、想像するだけで、気持ち穏やかに過ごそうと思っている。

プリンスエドワード島へのツアーは、いつも人気で、特に新婚旅行の企画も多い。

アンとギルバートが結ばれた場所なので、当然といえば当然だが、普段の喧騒を忘れ、ゆったり過ごすといったような、ひとり旅の企画もある。

私も、行けるようになったら、是非に行ってみたい。

そして、究極の普通で、すばらしく美しい景色と空気感を、身体じゅうで受け留めて、自分の中に取り込みたい。