グリーンゲイブルズに住む、マシューの妹である。

とても現実的で、質素で堅実的な、頑固ものだ。

これまで、マシューと二人で無駄のない静かな生活を送ってきたところから、マシューの畑仕事が手伝える健康な男の子を迎え入れ、家庭と教育を与えようと、最初は義務感のかたまりで、孤児院の男の子を迎え入れようと思っていたが、手違いで女の子が連れてこられた事実を知り、アンを孤児院に返すことを当たり前だと思っていた。

手違いのいきさつを確認して送り返そうと出かけた先での出来事で、考えが変わって、グリーンゲイブルズに連れ帰ってくるのである。

しかし、アンの性分は、マリラとは正反対で、夢見る少女と現実主義のマリラとのやり取りは、なかなかかみ合わず、マリラにしてみれば、しっかり育てなければ・・・という思いを強くする一方で、マシューとは少し違う形で、アンに引き付けられ、徐々に三人のバランスがとれた、アンにとってのみならず、マリラにとってもマシューにとっても、温かい家庭というものが築きあげられるのである。

そう!マリラにとっても、アンはグリーンゲイブルズになくてはならない存在になっていくのだ。

最初は、マリラは冷たく少し意地悪い感じに映っていたが、ただこれまでグリーンゲイブルズには、温かさ・明るさ・やさしさを必要とせず、誠実にのみ生きてきたので、マリラの優しさが表に出ることが無かっただけなのだ。

マリラは、人付き合いには困っていないので、マシューより友達もいるし、知り合いもたくさんいる。

マリラの現実的なところは変わらないが、そうやって日を追うごとに、アンとの距離が縮まり、一年後には、「アンが来る前の私たちは、どうやって過ごしてたんでしょうねえ!」とマシューに言っている。

マシューが亡くなってからは、アンとお互いを支えあい、今度はアンがマリラを守っていくのである。

アンが大人になっていくと同時に、マリラの思いやる心が育っていくさまも、アンの女性として成長していくさまと同様、読み手の私も感動させられる部分である。